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新製品カプローニCa.60を例に説明図の描き方を解説します。
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エアロベース製品の設計にはAdobeイラストレーター(お絵描きソフト)を使っています。大昔のバージョン5.5からずっと。
フォトエッチングという金属加工の型(版)はさまざまなCADで設計されていると思いますが、私の場合、白と黒で絵を描いたほうが間違いが少ないです。
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ちなみに最初の製品であるA001フォッカーDr.1はペンとインクによる手書き図面でした。要は、エッチングで溶かす部分と残す部分を白黒で表せればよいのですね。
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エアロベース製品はお客様が自分で組み立てる「キット」ですので、組立説明図が肝心です。メーカー(私)とお客様の最初のコミュニケーション。そのため、説明図を描く作業は、パーツ設計よりも神経を使います。まずはおおまかなスケッチですが、設計から試作まで1週間から10日はたっていますので、設計者本人が組立順を忘れてしまっています。そんなときのため、パーツナンバーを組立順につけることにしています。
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最終的な説明順とパーツを見る角度を決めたら、イラストレーターの設計データを3Dソフト・ライノセラスに「インポート」します。要は、絵を線として3Dソフト上で動かして、組み立てていくのです。
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上の図の余分な線を消して単純化します。設計データを元にソフトで絵を描く場合、「消す」のが主な作業となります。一方、ペンとインクで現物を見ながら描くのは、「付け足す」作業です。これは面倒ですね。それゆえ、無駄な線を描くことはありません。必要最小限の表現ができます。逆にソフトで描くと、どこまで消して良いかがつかみづらいです。消し過ぎると、何を表しているのかわからなくなります。現状では、保存しやすいようにソフトで描くことに落ち着いています。
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次に、ライノセラスで組み立てた立体図をイラストレーターに戻します。ここではどうすれば組み立て方が伝わるのか、お客様の立場にたって実際のパーツを組み立てながら、線の強弱・色・矢印・文字などで、「マニュアル」として仕上げていきます。
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カプローニCa.60はひとつひとつのパーツが大きいのですが、はめ込むツメの太さなどは他製品と変わりません(幅1mmとか)。なので、絵を大きくしないと、いったいどこにパーツがはまるのか、理解しにくくなります。説明の巧みさも大事ですが、絵の大きさも大事なのです。ミクロなパーツを大きく描きすぎても逆にわかりづらいということもありますね。当初はA3サイズおもて裏1枚に収めるつもりで進めていましたが、ページを倍(A3サイズおもて裏2枚)に増量します。知恵の輪のようなカプローニを説明するためには、これくらい必要です。A3を三つ折りしたとき、ちょうどパッケージに収まるサイズになるのは言うまでもありません。