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奈良原式4号 鳳号のなぞ

マイクロウィングB016として、1912年に飛んだ民間飛行機、奈良原式4号 鳳号の設計を進めています。「OTORI」や「鳳」まで再現したら楽しそうですね。ていうか、それをやりたいから模型化に踏み切ったのでした。

ほとんど資料のない中で、手持ちの「日本航空機辞典」(野沢 正 著/モデルアート社発行)に掲載されたものを参考に進めました。

乗員2名と書かれていますね。

10年前に訪問した稲毛民間航空記念館にあったレプリカ。これはパイロット席のみだそう。実際に飛べるように作られたレプリカだからそうしたのかは不明。

こちらは愛知航空ミュージアムに展示されている模型。パイロットのみですね。ところが、手前にある解説ラベルには「座席2」とあります。模型を作った人とは別の人がラベルを作ったのかもしれません。

(画像は当社のお客様から提供いただきました)

実はひとり乗りとふたり乗り、両方あったのかもしれません。

日本航空協会から提供されたこの画像、ふたり乗れるスペースがあるように見えません。特徴は、上翼と下翼をつなぐ支柱(赤い線は私が引いた)の下部が、OTORIの横板からはみ出していること。

対してこの画像のものは、柱が横板に完全に隠れています。乗員を増やすために横板を伸ばしたのでは?

パイロットは前席で、後部座席は空きの状態かな?

1912年(明治45年)3月に完成し、同じ年の11月(大正元年)から巡業に出たとあります。この画像にある「奈良原式鳳号飛行大会」のスタンプがそれでしょう。だとすると、巡業にはふたり乗りが使われた?と考えましたが、この巡業はお客を乗せて飛ぶことはせず、飛行を見せるだけだったとあります。

横板を伸ばしたのは別の理由かもしれません。

「鳳号」の由来はスポンサーがひいきにしていた横綱のしこなから。

巡業で機体名が映えるように横板(看板)を伸ばしたのかもしれませんね。

ただ引っかかるのは、日本航空機辞典と、それを元に書かれたのかもしれない愛知航空ミュージアムの解説ラベルにある「乗員2」の文字。これを尊重したいです。

他の画像にも2名乗っているものは見つかりませんが、ここはいつもの、どうすればエアロベース製品らしくなるかを最優先とします!

というわけで、伸ばした横板と乗員2名のパーツをセットし、座席を切り離してひとり乗り仕様も作れるようにします。エアロベース流でしょ?

伸ばした横板を別パーツにして両面テープで貼り付ける。

やりにくそうです。

これはボツ。

 

すべてのエアロベース製品はモデルキットデザイナー岩見慎一が設計し、国内の委託工場で生産しています。

当社製品の対象年齢は15歳以上です。お子様が作るときは、必ず保護者がつきそい、パーツの尖り、パーツの入った袋をかぶらないこと、工具の扱いと保管に注意を払ってください。当社製品の素材は主に真鍮、銅、ステンレス、ホワイトメタル、マグネット、ヒノキです。アレルギーのある方はご注意ください。