法隆寺五重塔の設計をスタートしました。
資料はこちらを使います。
昭和初期に、解体修理したときの記録です。
全巻は国会図書館関西館でしか見られないかと思いますが、
何冊かは各県の図書館にあるようです。
五重塔についてはこの13巻目にまとめられています。
解体中の写真が満載。
私の場合、この時点ではあまり細部を見ません。
どのページに何が載っているか、あとですぐに資料を取り出せるように覚えていくのが仕事です。
五重塔のミニチュアはたくさん発売されていますね。
左はウッディージョーの1/150キット、右はki-gu-miです。
参考に組み立ててみました。
実は今回の五重塔は他社からの設計依頼でして、
これらを組み立てるのは、真似にならないように調べているのです。
法隆寺五重塔は世界にひとつ。その同じものを同じような大きさでミニチュア化するのですから、似てきてしまうのは自然のことです。
量産の手法についても、現在、レーザーカット以外ありえません。
結局、似たようなパーツ構成になっていきます。
ウッディージョーのほうは、内部構造はほとんどありません。
あくまで見栄えの良い1/150のスケールモデルとして設計されています。材料選びから使い方まで、さすがですね。
(当社のG001 ダ・ヴィンチのプロペラのレーザーカット木製パーツはウッディージョーさんに依頼しています)
非常に美しい仕上がりです。屋根の「軒反り」は再現されていません。
ki-gu-mi(株式会社エーゾーン)は内部構造をパズル的に表現されています。
塔中心から四隅に向かって斜めに通る「隅木」のはめ込み具合がすばらしい。
すべてのパーツがギュっとはまっていきます。
「軒反り」は屋根の切込みを利用しています。横に走っている支柱の曲線にうまく沿います。
「つくるんです」というキットも発売されています。各部はki-gu-miに近い仕組みです。
同じ設計者かなと想像したのですが、塔頂の飾りなど、設計が異なる点もあります。
この2製品は雑貨コーナーに並ぶ感じの内容ですね。ウッディージョーは模型メーカーらしい仕上がりです。
さて、当社はどの方向を目指すか。