ツェッペリンLZ1号は、船体から吊るされた錘(おもり)を前後に移動させることで
重心位置を変えて、頭上げと頭下げを調整しています。
1900年7月2日の初飛行直後に、この仕組みは大きく変更されましたので
詳しい資料は見つかりません。
LZ1の飛行について素晴らしいサイトを作られたBill Welker氏に協力を仰ぎました。
その方のアドバイスを元に、上昇&下降の方法を描きました。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s283faded1d87cff3/image/i06eeefd0076a371e/version/1616083552/image.jpg)
まずは水平状態。
ワイヤーの左端は船体に固定されています。
また、中央の錘(おもり)も固定されています。
(錘は300kgあります。防水の砲弾型ケースに入っていました。
着陸(着水)の際に、湖に錘ごと沈んでしまわないようにとの配慮だと考えられます)
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s283faded1d87cff3/image/i774a03e843e8f61b/version/1616083609/image.jpg)
上図は上昇時を表しています。
ボート型のコクピットが前後に吊るされています。
このうち、前方のコクピットにツェッペリン伯爵が乗り込んで
操作したと思われます。
ワイヤーを伸ばすほうにレバーを開けると、
錘は船体後方へと移動します。
結果、頭が上がり、上昇姿勢になります。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s283faded1d87cff3/image/i32b0c1d3fe92bac9/version/1616083619/image.jpg)
逆にワイヤーを巻き込んで錘を前方に移動した図。
頭が下がり、下降姿勢となります。
前後とも最大傾斜角は5度と記述が残っています。
以上が基本的な仕組みですが、
ワイヤーの取り回しなど、こまかい点は不明です。
下の実機画像ではワイヤーは船体(骨組)を通過しています。
この点からBill Welker氏は、ふたつのプーリーを介して
ワイヤーは頭上から操縦者へと導かれていたのではないかと
推測しています。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s283faded1d87cff3/image/i4b4aa5e98fa12cad/version/1616083629/image.jpg)